3人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
そんな事を考えていると目が冴えてしまい、眠気が飛んでいってしまったのだ。
まったく、これからどうなって行くかと思うと大きな溜め息が出た。
同時に腹の虫が悲鳴をあげた。
結局、俺は晩飯を全然たべなかったのだ。
あの時、あれでは食事は喉を通らない。
その、要因が今になって帰ってきたのだ。
ぐーっ、と腹が鳴る。
「我慢だ……我慢…」
また、ぐーっと腹が栄養を求めている。
そして、それを何回か繰り返した後…
「我慢……
出来るかあぁぁぁぁぁっ!!!」
夜中という事もあり俺は小さく叫び声をあげた。
「まったく、人間という生き物は己の欲望に忠実だな」
そんな事を言いながら俺は布団から起き上がり、部屋の襖を開けた。
廊下はひんやりとしている。
どこからともなく隙間風が吹き抜け体温を奪っていく。
寒さのせいもあって俺は足速になった。
もちろん、行く先は女子の部屋……
じゃ、なくて食堂だ。
そして、食堂に近付いた時、俺の足が立ち止まった。
なぜなら、食堂からはうっすらと明かりが漏れていたのだ。
だが、誰かが消し忘れたのだろうと思い軽い足取りで襖を開けた。
最初のコメントを投稿しよう!