序章

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「お前、こんな夜中に何してるんだ?」 「あ、あんたこそ何してんのよ? いきなり、人を脅かして楽しいわけ?」 「夜中に物音がしたら普通泥棒だと思うだろ。 冷蔵庫なんか探って、腹でも減ってんのか? 間食したら太るぞ」 「べ、別にあんたなんかに関係ないでしょう。 お腹なんて減るわけないじゃない」 そう言って立ち去ろうとした時、少女から腹の虫が鳴いた。 唯未は、恥ずかしそうに腹を押さえていた。 「身体は正直だな」 そう言って俺は台所からフライパンを出した。 さっと水で洗ってコンロの上に置くと少女が喋りかけてきた。 「フライパンなんかだしてなにしてんのよ?」 「んっ? あぁ、腹が減ったから焼き飯でも作ろうかと思ってな。 お前も食うか?」 「あんたが作ったものなんていらないわよ。 どうせ不味そうだし」 「まぁ、そんな事言わないで食ってみろよ。 焼き飯には自信があるから」 俺がそう言った時、又も少女の腹の虫が鳴いた。 「そうね…… あ、あまってももったいないだろうし。 仕方ないから食べてあげるわよ」 どうやら、俺を嫌うよりも腹減りの方が勝った様だ。 「じゃ、ちょと時間がかかるから食堂で待っててくれよ」 そう言うと唯未は何も言わずに調理場から出て行った。
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