序章

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俺は開けっぱなしになっていた冷蔵庫を覗いた。 冷蔵庫はあまりものが少しあるだけだ。 「卵に…キャベツ…ベーコン… まぁ、これがあったら大丈夫だろ」 俺は今の三つと調味料を出した。 そして腕をまくって手を洗う。 「よし、晴輝特製チャーハン調理開始」 ……… …… …。 「どうだ? 晴輝特製チャーハンは美味いだろ?」 「あんた、ネーミングセンスないわね」 「うるせえ、ほっとけ。 で、どうなんだ?」 「べ、別に食べれない事も無いけど……」 「だろ、やっぱ俺は腕がいいからな」 「言って置くけど、あんたがどーしても食べてくれって言ったから食べてるんだから。 勘違いしないでよね」 「あい、あい。 分かってるよ」 「けど……」 「あん? なんか言ったか?」 「な、何にも言ってないわよ」 「そうか…」 それから俺達は一言も喋らずに食べた。 その後もちろん、後片付けは俺がやった。 少し、疲れたがそれは大した事では無かった。 確かにあいつは俺に言った。 ありがとうと。 そう思うと不思議に後片付けも苦ではなかったのだ。 そして、部屋に戻って布団に入ると俺はすぐに眠りに落ちていった。
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