雪解けは始まりから

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「辱め…… おい、おい嘘だろ俺がそんな事するはずがない。 断じてないっ」 「晴輝さん酷いです。 夜中突然、結香の所に来たかと思うと話しがあるからって結香を部屋につれこんで…… あんな事やこんな事を……」 「ないっ、ないっ、絶対になあぁぁぁぁぁーっい!!! 俺にはそんな記憶はない」 「晴輝さん…… 結香の事は遊びだったんですね。 結婚しようって言ってくれたのに……」 結香の目は涙でうるうるとしている。 くそーっ、俺は女の涙に弱いのに。 けど、もしかしたら俺は本当に寝ぼけて無意識に過ちを犯したかもしれない。 それに、結香は昨日と違って本当に元気がない。 「お、おいっ。 本当に俺はお前にそんな事をしたのか…?」 「結香がこんな事で嘘をついてどうするんですかーっ…」 確かにそうだ… こんな事でこいつが得するはずがない。 大沢晴輝、17歳 まだ、色々やりたい事があったが俺も気付かないうちに大人になってしまった様だ。 そして確かに、こうなってしまったのは俺の責任だ。 そうか、ついに俺にもこの時がきたのか… 「よし、分かった…… 言うぞ…結香、俺と…」 それと同時に部屋の襖が開いた。 「大きなもの音がしたらから来たんだけど…」 「俺と結婚してくれっ!!」 そう言ったと同時に俺は雪鳴の存在に気が付いた。 「は、はる君と結香は…そう言う関係だったんだね…」 雪鳴はそうつぶやくと襖をゆっくりと閉めてでていってしまった。
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