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「のおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーっ!?」
俺は頭を押さえて畳の上を転がり回る。
見られてしまった。
よりによって雪鳴に見られてしまった。
そして、追い討ちかける様に……
「晴輝さん、ごめんなさいです。
結香にも選ぶ権利はあります。
晴輝さんにはこれっぽっちも興味ないですよーっ」
「そうか…
って、なにおっ!?
自分から言い出しておいて、しかも全力でふるか」
「きゃは!!
全部嘘ですよーっ。
そんなんじゃ悪徳商法に引っ掛かって死ぬまで借金地獄ですよ」
「ゆ、結ー香ーっ。
よくも、俺を騙してくれたな」
「せっかく、起こしに来ても起きない晴輝さんが悪いんですよーっ。
あ、もう朝ご飯の時間です。
じゃ、また後で」
そう言って、結香はビシッと敬礼すると一目散に逃げて行った。
ったく、あいつは迫真の演技をやってのけた。
つくづく俺も騙されるなんて馬鹿な奴だ。
って、このままじゃ雪鳴に誤解されたままじゃねぇーか。
そして、俺は雪鳴の誤解を解くためにも足速に食堂に向かったのだった。
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