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｢いた…｡｣
明らかにゴンドラに乗っている男はこちらをみている｡
｢でも…ここからじゃ誰だか分かんねえぞ!｣
そのとおりだ｡
人がいることは分かっていてもまったく誰だかわからない｡
｢クソ…せっかく見つけたのに…｡｣
苛立ちを隠せない直人｡
｢…なんとかして見えないのか…｡｣
｢無理だよ｡なにもないし…｡｣
沙羅が弱音を吐くのは珍しいことである｡
｢そんなことねぇよ!絶対何かある!｣
…パニックになっているのかさっきから直人の口調が強い…｡
これ以上熱くなるとまずい…｡
｢直人…一回落ち着こうぜ…｡｣
｢落ち着けなんて無理だ!下手すりゃ死ぬんだ!｣
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