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雨が降ってきた…。
悠介は自分が言ったことがどれだけひどいことか言ってから気付いた。
「お前…本気で言ったのか…?」
「いや…わりぃ…。」
「お前本気で俺達に降りろって言ったのかよ!」
鋭が冷たい眼差しでこちらを見ている。
雨が強くなってきた…。
まるで俺達に入った亀裂を広げようとするかのように…。
「やめなよ…」
沙羅が震えた声で言う。
雨で分からないがおそらく泣いているだろう。
「だから悪かったって…」
「降りてほしくなかったらそんなこと言わねえだろ!」
直人が叫びながら悠介に手をだそうとする。
しかし間の席にトキが座っているため思うようにできない直人は苛立っていた。
そしてここがフリーフォールの頂上だと忘れていた。
「もうやめなって!」
トキは叫びながら直人を止めようと手をだした。
その手を直人が弾いた。
トキは手を強く弾かれバランスを崩した。
その時だった。
「え…?」
トキの体が空中に投げ出された。
そしてトキの姿が目の前から消えた…。
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