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お…落ちる…。
トキはそう思いながら時間がゆっくりと動いていくのを感じた。
死ぬんだ…。そう目を閉じた。
「トキ!」
沙羅が叫んだ。
「あっぶねぇ…。」
「悠介…。」
悠介の手の中にはトキの腕がしっかりとつかまれていた。
しかしこの大雨、うっかり滑って離してしまいそうだ。
「沙羅!俺の体抑えててくれ!」
悠介は掴まるのには充分とはいえない座席に掴まりながらトキを支えている。
このままじゃ2人とも落ちかねない。
「う…うん!」
沙羅は悠介をしっかりと支えた。
「鋭!」
直人が鋭に言った。しかし鋭は言葉を言い終わる前に直人をしっかりと支えていた。
「よし!」
直人は手を伸ばした。
「掴まれ!トキ!」
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