無題

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傍にいたいと思った時にはもう遅くて。 君は隣からいなくなっていた。 いつも私の少し前を歩いていた君は。 振り返っては、『おいで』と手を差し伸べてくれていた。 どうしてもっと早く気付かなかったんだろう。 どうしてその手を放してしまったんだろう。 今さら遅すぎる後悔。 私は君に何をしてあげられたかな? 君は私に沢山のモノをくれたのに。 君と一緒にいた時間は、今もキラキラ輝いている。 君と歩いた道を通るたび、もうあの頃の2人はいないんだと思い知らされる。 私の選択が間違いだったかなんて、誰にもわからない。 ただ、今望むことは最後まで優しかった君の幸せだけ。 君を沢山傷つけてしまった私の事を、最後まで心配していた優しい君が幸せであってくれる事が。 私の幸せ。 いつか、また逢えたなら心から君に感謝の気持ちを伝えたい。 『ありがとう』
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