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「聡!!!!」
呼んだ名前は、俺の名前。
・・・イヤ、『俺』じゃなくてもう1人の梔子 聡。
流華ちゃんのあまりにせっぱ詰まった声に驚いた俺達は
急いでキッチンの方へ向かう。
「流華!どうした!?」
奏平君が、流華ちゃんに声を掛ける。
流華ちゃんが涙目で「聡」を抱いていた。
「そーへいっ!・・・聡が・・・聡が!」
そこに横たわっている「聡」は青ざめた顔をして
血の気がかなり引いている事が伺える。
奏平は屈みこむと「聡」の口元に手をかざす。
「息してない・・・!」
目を見開いて柄にもなく慌てた(失礼)奏平君が、急いで救急車に電話する。
俺は何もする事が出来ないまま「聡」を抱きかかえて、ひたすら名前を呼んでいる流華ちゃんを見ていた。
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