まなざしの向かう先

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「聡!!!!」 呼んだ名前は、俺の名前。 ・・・イヤ、『俺』じゃなくてもう1人の梔子 聡。 流華ちゃんのあまりにせっぱ詰まった声に驚いた俺達は 急いでキッチンの方へ向かう。 「流華!どうした!?」 奏平君が、流華ちゃんに声を掛ける。 流華ちゃんが涙目で「聡」を抱いていた。 「そーへいっ!・・・聡が・・・聡が!」 そこに横たわっている「聡」は青ざめた顔をして 血の気がかなり引いている事が伺える。 奏平は屈みこむと「聡」の口元に手をかざす。 「息してない・・・!」 目を見開いて柄にもなく慌てた(失礼)奏平君が、急いで救急車に電話する。 俺は何もする事が出来ないまま「聡」を抱きかかえて、ひたすら名前を呼んでいる流華ちゃんを見ていた。image=64325463.jpg
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