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やがて病院に着き、集中治療室に運ばれていく。
バタン
集中治療室の前で奏平君と流華ちゃんは待たされる事になった。
奏平君は、公衆電話で俺の実家に電話を掛ける。
静かな廊下に静寂が広がっている。
時折聞こえてくる流華ちゃんの嗚咽が俺の心を締め付けた。
そっと肩に手をのせようと手を伸ばすが、手は流華ちゃんに触れることなく宙をきる。
まもなくして、奏平君が戻ってくると流華ちゃんの隣に座り
流華ちゃんの肩をそっと抱き寄せた。
「大丈夫・・・聡は絶対によくなるから・・・」
「・・・ぅん、でも・・・」
流華ちゃんの涙はそれでも止まらず少し静かになった廊下に嗚咽だけが妙に響いている。
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