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暫く背中をさすっていた奏平君が
二人の横に立っていた俺の方を見上げる。
「・・・俺、一つ思ったんだけど
お前は聡の魂じゃないのか?」
疑問系にしては確信的な物言いなのは
奏平君の中に何かしらの根拠があるからだろうか。
「・・・なんで?だって俺がいなくても動いてたじゃない」
「俺にはよく分からないけど、バッテリーを抜いたおもちゃが数秒動くのと同じじゃないのか?」
奏平君が自身の中で整理して推理したことを淡々と言っていく。
それは、予想にしてはなぜか納得できるような説得力があった。
頭の悪い俺にわかるように簡単な例えを出してくれてるあたりやっぱり優しい奴だ。
「何らかの原因で抜けた【お前】っていうバッテリーがないから今、【聡】が死にそうになってるんだとしたら?」
その言葉を聴いた瞬間。
俺の頭の中に電流が走ったようにひとつの推測が閃いた。
その推測は事実という確信すら感じさせた。
俺は、思わず目を見開き、からだを強張らせてしまった。
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