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「・・・奏平君、俺行くよ」
「・・・ああ、気をつけろよ」
奏平君が俺の方を見て真剣な眼差しで柔らかく、ふっと笑う。
そして、俺が見えも聞こえもしない流華ちゃんに
「聡が、頑張るって」と言うと、
流華ちゃんが必死に笑顔を作り
「待ってるからね」と俺に言った。
俺は、流華ちゃんに近づくと
屈んで、そっと額に口づける。
「愛してるよ、いってきます」
そういうと、俺は集中治療室へ入っていった。
「・・・奏ちゃん、私、今ね 聡の声が聞こえた・・・それと額に温もりが・・・」
呆然と額を押さえながら再びぼろぼろと涙を流す流華。
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