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「そういえば、侑弥が引っ越しの時に車の中で蓮華のこと心配してたんですよ。」
「え?」
小さい頃は、私もそれなりに可愛らしい女の子で…椿には負けるけど、普通な感じの幼少期だった。
ちょっとお馬鹿だったけど。
侑弥くんとは、結構仲が良くて…笑いながら追いかけられたりして、からかわれたことがよくあったけど、最後の日に侑弥くんは涙をこらえながら私に約束をしてくれた。
『俺が大人になったらお前に会いにいってやるよ。』
私は泣きながら、その言葉に必死に頷いていたっけ。
「侑弥がさ、車の中で何回も何回も『あいつ、俺がいなくて大丈夫かな。』って言ってましたよ。」
素直に嬉しい。
侑弥くんがそんなに心配してくれてたなんて知らなかった。
「そうなんだ。言いそうなタイプじゃないのにね。」
照れ臭さを隠すように笑いながら言った。
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