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「…いいから入れよ。幼稚園が一緒だったよしみで入れてやるから。」
「いや、いいよ。風邪ひくよ?早く帰った方が良いんじゃない?」
私のことなんか覚えてなかったくせに!
両手をブンブンと振っても納得してくれなさそうだ。
また女の子達が私を見てる。
「いいって!お前が風邪ひくぞ!早く入れよ!」
「結構です。私は大丈夫だから。」
女の子達にイジメられたら、どうするのさ!?
ここの学校の女子、怖いんだからね!
「…はあ、分かったよ。ほら!!」
頭をガシガシ掻きながら侑弥くんは言い、やっと諦めてくれたのか!と思って安心した私の手を掴んだ。
そして、傘を無理矢理持たされた。
「え!?ちょっと…っ!?」
侑弥くんは私に傘を持たすと、雨の中に自分の身を投げ出した。
呼んでも聞こえる距離では無かった。
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