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「あの…蓮華?さっきから様子が何だか…。」
外に出ると、彰弥くんが心配そうに声を出した。
「ごめん。何でもないよー。」
彰弥くんに笑いかけると、彰弥くんが視線を手に移動させた。
視線の先を見ると、繋がれている手。
…あ。
「あ、ごめんっ!離すの忘れてた!!」
彰弥くんから手をバッと離す。
ついうっかり手を繋いでることを忘れていた!
どおりで片手が思うように動かないわけだ!
繋いでいた手を離すと、温かさが一気になくなった。ちょっと寂しい…。
「いえ。ただ、蓮華の様子が違っていたので、何かあったのか…と思いまして。」
「いや、別に!何でもないけど、彰弥くんモテるんだなーって思っただけだよ。」
あの女の子のハーレム状態。すごかったー。
「そんなことないですよ。でも、あんなに人が集まるんなら蓮華と一緒に行動していれば良かったですね。」
彰弥くんは謙遜しながらも、あのハーレム状態を思い出したのか、嫌な顔をする。
ハーレムの何が不満なんだ、君は。
「そうだねー。でも、私と行動しても何も利益ないよ。第一、彼女だとは絶対思われないしね。」
私が隣りに居ても、女の子たちは絶対彰弥くんの周りに集まるような気がする。
だって、釣り合わないもん。
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