風邪と…

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彰弥くんの家に着くと、相変わらず広くて、走り回りたくなるほどだった。 「うわー!久しぶりだね。」 前来た時は、怪我でボロボロになってる時だったから、そんなに周りに目がやれなかった。 「はい、久しぶりに来ましたね。」 「やっぱ広ーい!走り回っていい?って、駄目かー。」 「あはは、前来た時は怪我してましたもんね。物壊さない程度になら良いですよ。」 「わっほーい!ありがとうっ!!」 嬉しくて、お礼を言いながら走り回った。 彰弥くんはクスッと私を見ながら笑う。 幼稚園児みたい…とでも思っているんだろうか? 「走り回るのもいいですけど、侑弥のお見舞いはいいんですか?」 「あ。」 走り回るのに夢中で肝心なことを…。 「行く行く!今すぐに行くよ。部屋はどこかなー?っと。」 「案内するので付いてきて下さい。」 大きな家にいる私は現在興奮中です。 興奮してる私を見て、彰弥くんは笑い中です。 いいんだ…、大きな家に住んでいる人には、この気持ちは分からなんだ。 家の中をうろうろとうろつき、前に見た侑弥くんの部屋の前に着いた。 椿が乗り込んでいった部屋だ…。 「こちらが侑弥の部屋ですよ。」 彰弥くんが爽やかに執事のような口調で案内してくれた。 「うん、ありがとう。」 どう入ったらいいんだ…?『ハロー、元気出して。』とか? いやいや、そんな軽はずみな態度は取れないよね。 「侑弥、入りますよ。」 彰弥くんはドアを軽くノックして、返事を待たずにドアを開けた。 「え…!?ちょっと待って…。」 心の準備をまだしてる途中なのに…っ。  
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