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彰弥くんがドアを開けたら侑弥くんはベットに横たわっていた。
「爆睡中でしたね。」
「そっか、良かった。」
風邪だもんね、寝るのが一番だ。
起きてたら何て声をかけたら良いか第一声に迷うから…少しホッとした。
小さめに話しながら、「失礼しまーす。」と言い、侑弥くんの部屋に足を踏み入れた。
ベットの近くまで寄ると、彰弥くんがベットの近くに置いてある椅子を私に近付け、座らせてくれた。
「ありがとう。」
「いえいえ、せっかく来てくれたんですから、侑弥を叩き起こしましょうか?」
笑顔でホントにやりかねないことを言うから、頭をブンブンと振って断った。
「そうですか…。分かりました。」
残念そうな顔をされても困ります…。
「あ、そうだ。買ってきたゼリーどうしよう。」
「冷蔵庫に冷やしてきますよ。」
彰弥くんがそう言ってくれるから、ゼリーが入った袋を彰弥くんに託した。
「ありがとう。よろしくー。あ、桃とみかん買ったから、2人でどっち食べるか決めて。」
「俺の分もあるんですか?」
袋を覗きながら、キョトンとした表情で彰弥くんが言った。
「うん。捨てないでちゃんと食べてくれたら嬉しいです。」
「捨てるわけないじゃないですか。ありがとうございます。後で食べますね。」
彰弥くんはフッと笑って、嬉しそうに微笑んだ。
ゼリー2個で、喜んでもらえて何よりだ。
「では、俺は少しここを出ますので。ごゆっくり。」
彰弥くんはニコッと笑って、部屋を静かに出て行った。
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