17581人が本棚に入れています
本棚に追加
「そーだっ！伝えればいいんだ！」
自分の閃きに、侑弥くんが傍でぐっすり寝てることも忘れて、叫んでしまった。
「んぁ？」
げっ、大きな声出しちゃった。
慌てて口を塞いで侑弥くんを見たら、侑弥くんはボンヤリと目を開けて、起きてしまっていた。
「ごめん、起こしちゃった？」
聞きながらも、よく考えれば私の声で起きたのは当たり前だ。
侑弥くんは身を起こしながら、「ん、まあ。来てたんだ？」と言う。
さっきの出来事は完璧忘れてるのかな。
寝ぼけてたんだなー…。
「うん。お見舞いに来たよ。」
「そっか。…ありがとう。」
やっぱり心なしか侑弥くんは元気がない。
「具合はどう？」
「だいぶ楽になった気がする。心配かけて悪いな。」
「ううん…。」
何だか弱ってるような…。
侑弥くん…、やっぱりハッキリ気持ち伝えた方が良いんじゃないかな…。
私も人のこと言えるような奴じゃないけど。
「あのさ…、椿が原因で寝込んじゃったんだよね？」
「……………。」
核心をついてしまったのか、侑弥くんは私から視線を逸らした。
「…そんなに好き？」
分かってる。
分かってるさ。
分かってるけど、聞いてしまう。
「…ああ、好き。ホントに…好き…だった。」
最初のコメントを投稿しよう！