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「それはこっちのセリフです。なんでこんなとこにいるんですか?義貴先輩…もしかして、私のこと…」
「それは無い。」
即答しなくても…。
「あはは、冗談に決まってるじゃないですか。」
「ふぅ、良かった…。」
「そろそろ泣きますよ。」
私がそう言うと、義貴先輩は「冗談冗談!」と、私の頭を叩いた。
「で、なんでここにいるんですか?」
「いや…特に何も…。偶然通っただけ。椿元気か?」
偶然通っただけ?
あんなに家の前を何回も歩き回っていたのに?
「元気ですけど…。椿と何かあったんですか?」
「いや、別に。」
おかしい…。明らかにおかしい。
私から目は逸らさなかったけど、何かがおかしい。
「とりあえず、どっかでお話ししませんか?」
「………。」
そんな嫌がらなくても…!!
「椿の話しです。いいですね?」
強引に話しを切り出し、義貴先輩を人気の少ない小さな公園に連れて行った。
「人気のない公園に連れてきて、何する気だ?変な気起こすなよ。」
「起こしませんっ!ここに座りましょう!」
義貴先輩をベンチに座るように促し、私も隣りに座った。
いつから、椿と付き合っているんだろう?
お祭りより前からなら、もっと2人が一緒に居る姿を見かけるはずなのに、全く見ない。
普通のカップルだったら、もっとイチャイチャするはずなのに(私の想像では)おかしい。
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