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「椿と喧嘩したんですか？」
「いや。」
「じゃあ、椿となんで一緒に帰らないんですか？」
「別に。」
「椿が好きなんですよね？」
「…ああ。」
義貴先輩は下を向いて、私の質問に返事をしてくれていた。
でも、椿が好きなら、なんでもっと一緒にいないの？
「なら、なんでもっと一緒に居てあげないんですか？」
「………………。」
義貴先輩は押し黙ったように下を向いて答えない。
「椿…寂しそうにしてますよ…。」
「……俺の方が寂しいわ、馬鹿。」
ボソッと聞こえた言葉には深い意味が篭もってるみたいで、もっとほっとけなくなった。
「…じゃあ、なんで…？」
「…アイツが好きなのは俺じゃないから。」
「…！？どういう…。」
椿が好きなのは、義貴先輩じゃないの？
意味が分からない…。
じゃあ、なんで２人は付き合ってるって言っていたの…？
椿は、義貴先輩の好きなところを言っていたのに。
「ああ゛、もうっ！なんかお前には黙ってらんねー。全部教えてやるよ。」
義貴先輩は頭を両手でワシャワシャと掻き漁った。
そして、一呼吸置いて、私に真っすぐ目を向け、聞いた。
「どれから聞きたい？」
「義貴先輩は椿が好きなのに、椿は別の人が好きってとこから…。」
私がそう言うと、義貴先輩は「いきなりそこか。そこから順に言ってくぞ。」と言い、淡々と話し始めた。
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