目に笑顔

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――蓮華side―― 義貴先輩、すごく良い人だったな。 義貴先輩が公園から帰り、私も帰って家に着いた。家に着くと、椿が帰ってきていた。 「椿、おかえりー!」 「蓮華、ただいま。じゃなくて、おかえり。」 椿はリビングで麦茶を飲みながら、本を読んでいた。 「何の本読んでるの?」 近付いて、本を覗き込むと、その本は逆さまになっている…。 椿…。 本が逆さまになってることに気付かず、椿はジーッと本を読んでいた。いや…、読んでるというよりは見ていた。 「本、逆さまだよ…。」 椿の隣りに腰を下ろして言うと、椿は「へ?」と、間の抜けた声を出して、本を閉じた。 「ねえ…、何かあった?」 侑弥くんが椿に気持ちを伝えたのは分かっている。でも、私が知ってるのを椿は知らないから、一応聞いた。 「…どうしよう、れんげぇ…!」 「え?」 椿がホントに困ったように言うから、侑弥くんは告白じゃなくて、別のことを言ったのか?、と私も動揺してしまう。 だって、告白されて…椿がこんなに深刻そうな表情をしたの見たことない。 普段の椿なら、告白されて断っても、あまり気にしてなかったのに…。 もしかして、椿も侑弥くんが好き…なの…? そう思った瞬間、体がドクンと大きく脈を打った。  
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