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「ゆ…ゆーやくんに…告白されたの…。」
切なそうに目を伏せながら、椿がボソッと呟いた。
「そっか…。」
気持ちを伝えた方が良いとか言って…椿が喜ぶとか言って…何言ってんだろ?
椿がこんなに切なそうな表情するなんて……全然考えてなかった。
「侑弥くんが椿のこと、そんな風に思ってたなんて知らなくて…驚いちゃった…。」
椿は緊張気味にフーッと息を噴き出した。
「そっか、そうだよね。でも、前から知ってたんだ、私。」
「え…?そうなの?」
「うん。多分、転校してきて、すぐ…かな。」
「…そうだったんだ…。」
椿は、ボーっとしながら下を見ていた。
何を考えているか分からない。
侑弥くんが気持ちを伝えたことが、そんなにショックなことだったのかな?
それとも、両思いだから…。
沈黙しているのも嫌だったから椿に声を掛けようとしたら、椿が遠くを見るように口を開いた。
「椿ね、蓮華が帰った時に侑弥くんに別の場所に呼ばれて、告白されたの…。
わざわざお花が綺麗に咲いてる場所で告白したかったんだって。
ホントに…ビックリして…どうしようって…思った。
まさか…って。
聞いた時は、すごい信じられなかった。」
「そう…なんだ。」
もしかしたら、椿の好きな人って、侑弥くんだったのかも。
「でもね…、すごく嬉しかった。」
椿がそう言って、ほんわかと私に笑顔を向けた。
「そう、良かったね。」
その笑顔を見たら、椿と侑弥くんが付き合って、同じトキを過ごすのも良いな…と思えた。
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