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あの後オレたちは学年主任の先生、ハゲ高こと高山先生からこっぴどく怒られた。
「はぁ、なんで2時間も怒られ続けられなきゃならんのだ!せめて30分とかだろ!?ありえねぇ、あのハゲ高、頭が眩しいんじゃコラボケカス!!」
朝は絢水から往復ビンタみたいに何回も叩かれるし、正座で2時間も怒られるし踏んだり蹴ったりだぞ!
オレは朝日以外誰もいないことをいいことに、思いっきりハゲ高の悪口を言いまくってやった。
はぁ、清々しい気分だぜ。
すると、朝日が申し訳なさそうに涙目でオレの方を向いてきた。
なんか子犬みたいなやつだな。
この朝日に犬耳と尻尾を装着させて…………うん、萌える。
「本当にごめんね、遠矢クン。ボクのせいで巻き添えになって」
「いや、お前だけのせいじゃないよ。オレも正しい判断が出来なかったからな。まぁ、オレの事は気にすんな」
オレは、朝日が気にしないように笑顔を作り、頭を撫でる。
まぁ、あれは本当に朝日だけのせいじゃないしな。
オレも冷静になって考えていれば……ってあれ?
心なしか、朝日の顔が赤いような気が……。
目もトローンとなってるし。
あぁ、マジで犬みたいだ。
癒されるぜ。
……そうだ。それより、あのことを今のうちに謝っとかないと。
「それに謝るのは有紀だけじゃないよ。オレも寝惚けてたとはいえ、抱き着いちゃってゴメン」
頭を撫でるのを止め、有紀に向かって頭を下げた。
ぶっちゃけ自分が抱き着いた覚えなんて全くないけど、それを言い訳にしちゃダメだよな。
顔を上げると、そこには更にハッキリ顔を紅くした有紀がいた。
「い、いや、大丈夫だよ。恥ずかしかったけど、安心したし……」
言葉が後になるにつれ、小さくなって、俯く有紀。
なんだこれ。
どうしたらいいんだよオレは!
気まずいんですけど!
ものすっごく気まずいんですけど!
…………はっ、これが青春か!
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