合格通知

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「ご………」 手紙を持つ手が震えた。 「合格ーーー!?」 まだ太陽も昇りきらない午前中、あたしの叫び声が家中に響き渡った。 「朝っぱらからウルセェな…なんだよ、またオーディションか?」 「親父っ!うかっ…受かった!!あたしっ受かったよ!」 南晃人(ミナミアキト)あたしの親父。 まだ38歳のくせにぐーたらな性格だったりする。 「あ?どら、見せてみろぃ」 「ホラ!ね、合格!!」 バッと親父の前に紙を突き付ける。 「おー、人のいい事務所もあったモンだな」 「……ちったぁ褒めろよ」 このあたしの口の悪さは親父の所為だと思う。 「まぁせいぜい頑張れや、俺は仕事行くぜー」 欠伸を一つして、親父は玄関に向かった。
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