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「びフィダスっ!!」
「でっ出た!!ホラー定番の『霊が出る時電気が消えるアレ』ですよ!来ましたよコレェェ!!」
「少し落ち着けお前は!……あれ、懐中電灯つかねー。どうすんだこれ、安かったんだぞ」
「僕のも一向に点きませんよォ~」
「目を充血させながら言うな」
俺は何度も懐中電灯のスイッチを上下に動かしてみる。が、点かない。
その時シュッという音と共に小さな灯が現れ、西澤の顔が照らし出された。
「皆さん安心してください~。これでまた歩けますよ~」
「助かったぜ、西澤」
「さすが姉さん!」
庄司が尊敬の眼差しで西澤を見た。姉さんというのは西澤が庄司に希望してそう呼ばせているだけである。
「それでは探索を再開しましょう!」
「いっくゾ~!オー!!」
庄司のノリがウザい。語尾をカタカナにするな語尾を!
「ワクワクしまぁ~」
次の瞬間西澤が奇妙な声を上げて派手に転んだ。何かに躓いたようだ。
部長だった。
そういえばさっき、妙な悲鳴がしたっけ。大体誰のものか予想はしてたから無視したが。
「ビックリしました~」
西澤が部長を踏み台にしながら立ち上がる。一方の部長は無言で床を叩きながらギブアップを主張するが気づかれていない。
「やっぱり古い校舎なだけあって、床が危ないですね~」
お前が躓いたのは部長という名の床だけどな。
「!!うわっ部長!!顔コワッ姉さん部長踏んでますよ!顔コワッ」
「気づくの遅いなお前」
黙ってた俺も人のこと言えない。
何とか庄司のその一言のおかげで部長は残念なことに一命を取り留めたのだった。
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