花子さん

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 俺達は今、花子さんの存在を確かめるため廃校になった小学校の前にいる。  何故高校生にもなってそんな馬鹿げたことをしようとしているのか?  理由は簡単。  俺達は『日本古典的文化研究部』だからだ。  え?説明になってないだって?……ああそうか、肝心のこの部の正体についてまだ言ってなかったな。  まあ……言い換えるならこの部の正式名称は、『オカルト研究同好会』だ。  つまり日本古典的文化研究部などという長ったらしい名称はただのお飾りで、実際はオカルト好きのオカルト好きによるオカルト好きのための部活なのだ。  何故部活名をこんな面倒なものにしているのかは、仮に『オカルト研究同好会』とそのままの名で部活動をつくろうとした場合を考えてもらえばわかると思う。 「先生、僕達新しい部活動をつくりあげたいんです」 「ほう、どんな部活だ?」 「オカルト研き」 「却下」  ……というような結果になってしまうだろう。  初代古研部部長(多分)は、教師にも認められるような最もらしい名を考えた。それがこの『日本古典的文化研究部』なのだ。  と、以前西澤が言っていた。
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