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語尾に音符が付きそうなくらい楽しそうな達也。
常に笑顔だ。
「タツヤはタツって呼んでるけどな。さ、練習しようぜ」
社長が悠斗に渡した紙には歌詞が書かれいて、それを二人は悠斗から取って見る。
だが、身じろぎせぜに呆然としている悠斗を見て、達也は悠斗の顔の前で手を振ってみる。
「おはっ、固まってる!」
「あと一時間も無いっていうのに……ハァ」
和樹のため息が虚しく響いた。
そしていつの間にか逃げれる雰囲気はなくなり、なんやかんやで歌わされた悠斗は無理矢理にマスターさせられた。
「ユウ、意外に歌上手いな」
「そりゃどーも……」
顎に手をやり、関心したように和樹は言うが、未だに現状に着いていけていない悠斗は曖昧な返事しか返せなかった。
そしてアイドルになりたくてなった訳ではないから、褒められてもあまり嬉しくもなかった。
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