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手を引いている社長を慌てて引き留める。 そんな悠斗に驚いた表情の社長。 「何言ってるの?」 「フツーに格好良いよ?」 便乗して達也も。 その言葉に悠斗はうろたえた。 生まれてこの方、格好良いなど言われた事など無く、免疫は皆無だ。 何て返したらいいのか分からずに、ただ口を開けたり閉じたりを繰り返すしか出来なかった。 (格好良い!? そんな事は無い。自分で言うのも何だけど、顔は……まあどこにでも居そうな感じで悪くはないはず。 だけど! テレビに出るとなると話は別! 平凡の俺がアイドルとして全国に放映されるテレビなんかに出ていい訳無いだろっ!!) そう心の中で悠斗は叫んだ。 そんな口を金魚みたいにぱくぱくさせる悠斗の気持ちを察知したのか、和樹はどこからともなく鏡を出した。 「自分の顔見てみろよ。普通に格好良いぜ?」
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