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全ての事の始まりは、悠斗が一人で街をぶらぶらと歩いていた時だった。 「ちょー―――っと! そこの結構ダサいお兄さん! アイドルに興味はありませんか!? もちろんありますよね!? はいっ、決まり! 連行!!」 何の宛もなく散策していると、悠斗は大声と共に突然肩をガッチリ掴まれた。 驚きで声も出せず、後ろを振り返ってみる。 そこには全身で息をし、瞳を爛々と輝かす三十は当に過ぎているだろうオバサンと、オバサン率いる何らかの軍団が立っていた。 ……悠斗の肩を掴んだまま。 (え、ちょっとヤバイ……?) 驚きすぎて固まっている悠斗を余所に、オバサンは早速、悠斗の手を引っ張りどこかに行こうとした。 だが、周りにいた仲間と思われる人達に止められると、身振り手振りで話し込んでいる。 時折「本当にこの子?」や「私の目に狂いは無い!」等、聞こえてくる。 何の話だろうか?
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