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その高級そうなビルは見た目の通り、中も綺麗で高級感たっぷりだった。 ステンドグラスに、中央のエントランスホールには小さいながらも噴水まである。 ヨーロッパみたいな造りだ。 これでドレス等を着ていたら完璧だなあ、と思いながら悠斗はそこを通り過ぎる。 噴水を少し通り過ぎた所にあるカウンターで、深く頭を下げる案内嬢にオバサンは軽く会釈を返し、更に奥にあるエレベーターへと向かう。 そして迷いもなく“上”のボタンをポチッと押した。 今のうちに逃げようかと思った悠斗だったが、数秒待っただけでドアが開いてしまい、何も出来ないままオバサンに引っ張られて中へ入り、オバサンは悠斗を掴んでいない方の手で最上階と思われるボタンを押した。 狭いエレベーターに入ったのは悠斗と肩を掴んだオバサン、そして大きな鞄を抱えた女性が数名。 その他はエレベーター前で立ち止まり「お仕事頑張って下さい、社長!」と言い、エレベーターの扉は閉まった。 「……え、社長!? このオバサンが!?」
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