15743人が本棚に入れています
本棚に追加
/484ページ
小走りで先を進む社長の後を着いていくと、メイク室と書かれている部屋の前まで来ていた。
その部屋の中へ入ると、化粧品の独特な香りが漂ってきた。
デパートの化粧品売り場みたいな香りだ。
大きめの鏡の前に椅子が置かれてあり、それが、このメイク室の中には6セットもある。
悠斗は物珍しそうに中をキョロキョロと見て、扉から最も近い鏡に近付く。
その鏡の前にはメイクボックスが全開で置かれてあり、中がよく見える。
1番上の段には赤のルージュだけで5種類以上、他にも色とりどりのルージュが同様に沢山ある。
その下の段にはアイライナーやマスカラ、チークにファンデーションと揃っており、これらも種類が豊富だ。
化粧に縁の無い悠斗も感心しながら見ていると、後ろでオバサンの声が聞こえてきた。
「じゃあ後は頼んだ。終わったら私の部屋に連れて来て。よろしくね」
社長はエレベーターに一緒に乗った女性の一人にそれだけ言うと、他の人達を引き連れて部屋から出て行ってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!