葉月 湊

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  「まぁ、何もなくてよかった。それより、もうお昼過ぎだ。昼飯作ったんだけど食うか?」 葉月先輩って料理出来るんですね。少しびっくりしました。 「あ、はい」 「口に合うか分からないが……ホットサンドと紅茶だ」 「クスッ……」 「どうした?」 「いえ、意外に可愛らしいもの作るんですね。葉月先輩って」 「……女の好きなものが分からなかっただけだ」 「いただきます。なんだか本当にすみませんでした。授業中にも関わらずご迷惑おかけしてしまって」 「そんなに謝らなくていい。ただ……」 「ただ?」 「少し、気になることがあってお前のことを調べさせてもらった」 「私のことをですか? 私はただの凡人ですけど……」 「いいか? 落ち着いて聞いてくれ。お前の小学4年以降のことは、簡単に調べられた。だが……それより前の出来事はかなり手間取ったんだ。結局調べられたのは、小学2年までだ」 小学2年以前の情報がない? 「私自身、どうしてでしょう……それ以前の記憶、ありません……」  
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