西沢 匡

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  希沙音さんはご立腹なまま路地裏に着きました。 「きっ、希沙音……」 「嫌や! 何でこんな子なん!? あたし、匡からの連絡もずっと待ってたのにっ……」 「希沙音、電話でも言ったけど、僕はもう姫柳と付き合ってるんだ。姫柳と会ったら諦めるって言ってたよね?」 ここは、私の出る幕ではないですね。 「そうやけど……でも、あたしの方が絶対可愛いもん! こんなチャラチャラした子より!」 ずいぶんな言われようですね。だんだんイライラしてきました。 「そんな事言わないでくれるかな。姫柳は僕の大事な彼女なんだ」 希沙音さん、泣き出してしまいました。 「そやかて、あたしも匡の彼女やったやんかあ! そんな子よりずっと長い間……匡の……側におったやん……かあ……っ」 ブチッ 私の中で、何かが切れました。  
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