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小柄な老女は、忙しく部屋中を歩き回っていた。
広い部屋の中には、無数のケガ人が唸りながら寝ていた。
老女以外にも数人の男女が同じように忙しく歩き回っている。
どうやら老女が彼らの指揮をしているようで男女は、彼女の指示を聞いては、素早くケガ人の下へ向かう。
血と薬の臭いが混ざる混乱した部屋にその男は、入った。
「ひゃっ!?」
突然、目の前に現れた壁に老女は、飛び上がる。
老女は、首を天井に向け、その壁の正体を知り、腹立たしさと共に唸るように名を呼んだ。
「か、関将軍!」
「才老(さいろう)!龍凰様が…」
関羽の慌てように彼の腕に抱かれる龍凰の姿に気づく。
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