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目を覚まして、最初に見たのは血塗れの幼なじみの姿だった。
肩まで伸ばした茶色の髪は所々が朱に染まり、フリルをあしらった純白のワンピースは赤黒くなっていた。勿論白磁の様な肌にまでそれは及び、未だに行為の興奮が冷めぬのか上気した頬に散った返り血がアンバランスで蠱惑的に感じた。
「今日は……何人だ?」
「はぁ、はぁ……八、ううん。九人かな」
つまり、無関係な人間を九人殺してきたのか。今日はいつもより、被害者が少ないな。平均十四人だったのに。
「いつも思うんだが、そんなに殺人は楽しいか?」
月に数回、同じ質問をするが、返ってくる言葉は大体同じだ。
「うん。最っ高に楽しいよ! 銃弾とか弓矢、というよりは遠距離はあんま使わないけど、人の頭蓋骨とかって意外と楽しいんだよ? アレが割れる時とか堪らないよ。断末魔も耳に心地良いし。昨日はあんまり良い声で鳴いてくれる人は少なったしなぁ、でもでも一昨日の女の人は凄かったなぁ……」
恍惚とした表情をしながらナイフを弄び、くねくねと動き始める我が幼なじみ。
我が幼なじみは最早言うまでもなく大量殺人鬼だ。多分殺した数はもう三桁に届くんじゃなかろうか。
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