副次的殺人快楽症

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 初めて人を殺したのは、確か小学生三年生の頃だった筈だ。  何故捕まらないのか、当然の疑問を幼少の頃の俺は持っていたし、笑いながら人を殺す幼なじみに恐怖したこともある。  答えは簡単だった。  捕まえようとしても無駄だったのだ。遠距離から銃弾を放とうと、至近距離で格闘戦にしようと、警官も特殊部隊だろうが、皆一様に死体で返却だ。  我が幼なじみこと、霧島飛鳥はそんな人間なのだ。  両親の職業は殺し屋、姉の職業も殺し屋。純然たる殺し屋一家もとい一族に生まれた彼女も当然殺し屋。その戦闘技術は目を見張るものがある。いや、殺しの善し悪しなんて分からんが。  というより、だ。  霧島一族自体が、世界の裏側で強大過ぎて表の警察程度では太刀打ちできないのだ。物理的にも間接的にも。 「でもでもっ! 私の中で一番気持ち良く殺せたのは、華月君だよぉ」 「殺せなかったけどな」 「えへへぇ……今ならきっと、ヤれるよ?」  勘弁してくれ。まだ殺られたくない。その前に、殺せなかったといってもコッチはあちこちの骨は折れるは、致死量すれすれの出血やらで大変だったんだ。
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