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死ネタ注意
護れなかった、
護れなかった護れなかった
ねえ、俺様はこれから何に縋って生きていけばいいの
誰のために、何のために在ればいいんだよ
旦那…っ
悲観
(旦那が俺の全てなんだ)
何故だろう、すごくイヤな感じがする。こう、何か大切なものが壊されるようなそんな感覚。イヤな予感と胸騒ぎは徐々に増すばかりで、俺は焦り、走った。その大切な"何か"を守るために、失ってしまわぬようにと
「どうか無事でいてよ、旦那…」
佐助の走る速度はより逸走、早さを増した。
―――――
次に会いまみえた時には旦那は色濃い紅色に染まっていて、鼻を突き刺すような強い血の臭いがそこには充満していた
「…っそん、な…嘘、だよね?」
「HA!遅かったな、てめぇの主は俺が討ち取った」
胸をつん裂くような
絶望的な言葉
そんな言葉なんか聞きたくない訊きたくない聴きたくないんだ!そんな言葉なんて要らない。旦那の暖かな…あの包み込むような暖かいお声が訊きたいだけなのに…
旦那を討ち取ったのは奥州の筆頭、独眼竜と謳われる伊達政宗<兜には三日月のような装飾が弧をは描いている。歳は旦那の一つ二つ上だろうか>だった。
俺はその場から動けなくって、立ち竦む。同時に自らの体内を巡るありとあらゆる血液がさあっと引いていくのがわかった。嫌な汗が身体を伝う。べたべたと張り付く衣と髪が不快だったが、今はそれどころではなかった
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