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「……転入?」
兵士はその言葉を疑問に思いながら、再び紙に視線を移し凝視してみる
「…ガルガナム王立魔術高等学校二年への転入を認める……!?」
兵士はその紙を読み上げた後目を見開きその小柄な人影と紙を何度も見直してしまった
「……ははは……すまないな……確かに転入だったよ」
兵士は何度目かの見直し首筋をポリポリと掻いたあと、バツが悪そうに人影に謝ってきた
「……いえ、いいですよ……いつものことですから」
ため息混じりに人影はそう言った
どうやらこういったことは日常茶飯事らしくその声には諦めが混ざっているように聞こえた
「いや、ほんとすまなかったよ……すぐに門を開けるから」
本当にバツが悪そうに言いながら兵士は、門の隅にある来客用の小さな扉の方へと足を進め、その取っ手に手をかける
関貫を抜き、ギギィッと古く錆びた音と共に扉が開く
そして兵士は人影を扉へと誘いながら言った
「ようこそ、聖国ヴェリアスの首都『聖王都ヴェシウス』へ!!」
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