デｨｻｯﾊﾟｰ･ヴｧﾆｯｼｭ

発症、罪人、抹殺

「おはよ、姉さん」
「ん、タカシが起きてるとは。今日は試合か？」

中学生になったばかりの弟は、にこやかに肯定した。

「まだベンチなんだけどね、後半からは出られると思うんだ」

あっそ、とアヤコは冷たく返した。
気にもとめず、タカシは続けた。

「昨日、てるてる坊主に祈ったからねっ」

てるてる坊主は雨を乞うもので、願いは叶えないと思うけど。

アヤコは心の中で突っ込んだ。

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