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「……?」
キラキラした目で話すタカシの爪に目を止めた。
「あんた、泥でもつついたの?黒いじゃない、かなり」
まさか、とタカシは肩をすくめた。
「朝起きたら黒かったんだ。手洗ったけど、こびりついててさ」
「綺麗にしないと女子に嫌われるわよ」
「気をつけます。……あ、もう出なくちゃ、行ってきます!!」
笑顔でタカシはリビングを出ていった。
行ってらっしゃぁい、と台所から母が顔を出す。
「私も行こうかなっと」
パンをかじって、アヤコは立ち上がった。
「おやつ作るから早く帰ってきてね」
タカシとそっくりの笑顔で母は言った。
小さく返事をしてアヤコは家を出た。
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