発症、罪人、抹殺

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「おはようアヤコ!!」 学校の門で手を大きく振る少女―――名前が出てこない。 片手に新聞を握りしめた少女はアヤコに駆け寄り、歩き出した。 「今噂の無差別殺人!!この町であったんだって!!見た?」 「むさべつさつじん?」 「やだアヤコ、そこから知らないの?」 ちなみに貴女の名前も知らないよ。 言いそうになってアヤコは慌てて尋ね返した。 「そういうの疎くて。……で、何?その……」 「無差別殺人?」 そう、とアヤコはうなずいた。 少女はニッコリ微笑んでショートに切り揃えた髪をいじった。 「日本だけでも無いらしいんだけど、いたるところで不可解な殺人が広がってるのね」 軽く相づちをしながら耳を傾ける。 .
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