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「殺され方に共通点はなくて、場所も全然違うのね。それで、警察やらは犯人の目星もつかなくて、殺人は止まらないってこと」
「犯人は1人じゃ無い、か」
「うん。でも共犯って訳でもないのね」
意味が分からず、アヤコは首を傾げた。
「まるで、殺人を起こしたタイミングが重なってるだけみたいってこと」
そんな馬鹿な。
「ああ、全員じゃないけど、殺された人の共通点があったらしいね」
「……?」
「被害者の2割は、爪が泥をつついたように黒くなってたらしいよ」
秘密よ?と少女は口に人差し指を当てた。
「パパが警察官で愚痴ってたの。アヤコにだけよ、話したの」
いつのまにか教室の前で。
未だに名前が思い出せない少女は、アヤコの肩をポンっと叩いて席へ向かった。
『殺された2割は爪が黒かった』
アヤコは頭が真っ白になった。
朝、タカシの爪は何色だった?
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