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「まさか……ね」
アヤコは自分に言い聞かせるように呟いて、席へ向かった。
どんよりした雲が空を覆う。
「席つけよー、チャイム鳴るぞー」
担任が教室に入ると同時に生徒がガタガタと席につき始めた。
「桐宗?どうした?」
「………ぇ」
「いつまで立ってる気だよ」
ずくん、と嫌な予感でいっぱいになる。
「桐宗?」
「……っ、ごめん先生!!頭が痛くて死にそうだから帰ります!!」
「は?」
アヤコは荷物を掴んで教室を飛び出した。
後ろから担任の呼ぶ声がするが、無視。
タカシは今,中学校のグラウンドで試合をしてるはずだ。
それを見たら学校に戻ろう。
そう決めて、アヤコは無我夢中で走った。
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