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――――――………‥‥
走り続けて何分が経ったのか。
息を切らして、やっと中学校にたどり着いた。
ワーワーと騒ぐ声。
「あれぇ?タカシの姉さんじゃん」
タカシのチームメイトだろう少年が話しかけてきた。
泥だらけの格好で、ニカニカと嬉しそうに笑っている。
「……た、タカシは、どこ?」
「ちょ、お姉さん大丈…」
「タカシはどこ!?」
息を切らして叫ぶアヤコに、少年は顔を歪めた。
そして怒ったように言い放つ。
「知らんオッサンと出てったよ」
「どこに……」
「あっちに。歩いてたし追いつくんじゃない?」
「ありがとう、それじゃあっ」
「タカシに早く来るよう言っといてね」
少年はそう言ってグラウンドへ走った。
アヤコは震える足を無理矢理動かして、少年が指差した方向へまた走った。
これで何もなかったら、タカシぶん殴ってやる……!!
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