召喚、そして…

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辺り一面が白い 先ほどの閃光に眼をやられたのだろう そんな中いち早く動く人影… エイナ・エルビナンス 彼女は閃光が走る瞬間、偶然にも目を瞑り難を逃れていた まさに奇跡的だった いち早く動けた彼女は目をしばたかせ、正常な視力を取り戻そうと努めていた 数度目をしばたかせ視力が正常になっていくのを彼女が感じたとき…… バサァと羽根を羽ばたかせる音が聞こえた エイナは音のする方……空へ視線を向けた 天使が…… ………いた 白く裾の長い軍服の様な物に白い外套を着たその身体は無駄なく引き締まり背中には蒼い光を放つ鳥の翼 洗礼された中にどこか幼さを魅せる顔 そして耳を被う程度の長さの髪と少し鋭く…しかし愛嬌のある瞳は… どこまでも青い…蒼い色をしていた その姿を見たエイナは、どこか懐かしく感じていた 《どこか…どこかで……私は…貴方と出会った…》 「…貴女が…私を喚んだのか?」 その声にエイナの思考は中断された 《…そうだ……私…儀式の最中で…》 思考がクリアになっていく 今やるべきは雑念の思考じゃない、契約だ エイナの頭はそう告げた 「……そうです…私が貴方を召喚しました」 凛と強い意思を持ち蒼い天使にそう告げる 「……では…契約を」 エイナは頷き、契約の詠唱(うた)を詠う 「汝、我と共に在り」 「我、汝と共に在り」 蒼い天使がエイナの詠唱(うた)に続く 「我、汝と共に在り」 「汝、我と共に在り」 「「我等、永久を共に在り」」 「「我等、永久に分かつこと無く」」 「「我等、共に道を歩み」」 「「我等、永久に詠い続けよう」」 「「我等の先に栄光在れ」」 「「ここに今、盟約は交わされた」」 蒼い天使がエイナを見つめる エイナが蒼い天使を見つめる 「我は今この場を持って、汝の剣となり、盾となろう……」 「よろしく…………マスター」
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