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「……貴方、名前と種族は?」
困惑仕切った頭に、凛とした声が響き青年は思考を切り替えて少女を見る
その少女の、感情の見えない青みがかった瞳の奥に青年は、不安に揺れるか弱い姿を見た気がし、自分を律した
「名は…ミカエル…と御呼び下さい。…種族は天人です…こちらでは天使の方がわかりやすいでしょうか?」
その言葉に少女や陣の近くで観ていた教諭達が驚愕の表情を見せた
「天使だとっ!?」
「……嘘」
「あれが…!?」
「ミカエルってあの…!?」
教諭達のざわめきは電波し、集まった人々…生徒達にも感染する
学園全体が驚きと疑惑にどよめき騒ぐ
この騒ぎを律するべきはずの教諭達でさえも、あり得ない事態に我を忘れていた
使い魔召喚は何故かは分かっていないが人族に属する種族は出てこない
なのに出て来た
しかも天使の中でも強者に位置し、蒼界の神話で度々語られるミカエルが…
そんな人物が神話から飛び出し目の前にいるのだ……
…どう考えても異常
騒ぎは益々拡大し、最早収集が着かなくなってきた時…
「静まれぇぇぇい!!!」
グラウンド全体……いや、学園全体に男の怒声が響き渡った
その鶴の一声に、あれほどまで騒がしかった学園は一瞬で静寂に包まれた
その声の主、短髪の白髪に口元に白髭を生やした老人は一度咳払いをして、騒ぎの中心である二人に歩み寄っていった
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