プロローグ2

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私は馬鹿です 私は別に自虐的でも無く偏屈な訳でも無いつもりです 私は馬鹿です 自分が見たものだけが真実だと勝手に決め付けて 周りから持てはやされて浮かれて……周りの眼を見ればわかったはずなのに… 父が笑う意味がわかったはずなのに…… 母の涙の真意もわからなかったほどに…… 私の眼は曇りきっていて…… 表の偽りの真実に目を向けて…… その裏にチラリと見えたはずの事実に目もくれず…… 誤解と自己満足な解釈だけに身を寄せて 地下に繋がれた傷だらけの少年の傷を傷と認識しせず 鎖の巻き付いた少年の眼が濁っていたのを知ろうとしなかった そして私は……… 薄汚れた………鎖に繋がれた少年を……… 兄を失った 私は馬鹿です…
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