召喚、そして…

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天界 自然が生い茂る大地、優しい光で照らす太陽、頬を擽るようにそよぐ風 自然が多い以外は蒼界とそう大差ない世界 そんな天界の草原で一人の青年が周りの動物達と一緒に寝転がっていた 蒼く耳に掛かるくらいに伸ばした髪が風に揺れ、少し整った顔の瞼を閉じている 彼の周りに集う動物達は安心しきったように彼に添い寝している その風景はとても画になっていた 神々しくもなく、神秘的でもない しかし癒される風景 しかし、それを壊す者がいた 「レウス~!!おきなさ~い!!」 声は空から聞こえた その声に驚いたのか、周りにいた動物達はビクッと身体を震わせてその場から逃げ出していった 青年-レウス・H・M・ラントゴーズ-は、渋々といった感じに瞼をゆっくりと開ける その瞼から見えた瞳は 蒼い、髪よりも蒼く澄んだ瞳がそこにあった その蒼い瞳が空を見る 空に白い光を放つ鳥の様な翼を生やした美しい女性がいた レウスはその光景に一瞬見とれたが、直ぐ様気を取り直し少し不機嫌な顔になる 「なんだいリディア、そんな大声だして……はしたないよ?」 そう言ってレウスは上半身を起こして空から降りて来た彼女を見た 彼女-リディア・G・F・ラントゴーズ-はその整った頬を膨らませた不機嫌な顔でレウスを睨み付けた 「大きなお世話です!…まったく、今日は全席会議があるって言ってたでしょ?なのになんでここで寝てるのよ」 《そんな顔してもリディアのは可愛いだけなんだけどな》 レウスはそんなことを思いながら今日の予定を思い返していた 「……あぁ……そういえば…ふぁ…そんなのあったな」 どうやらリディアの言ったこととレウスの記憶が一致したらしい 呑気に欠伸しながらリディアに答えた
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