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タクが息も荒げに説明する。
「じゃあここに来てた客人っていうのは…。」
そう言って本城は美知流に視線を移す。
「はい、ウチのことです。玲子さんが殺されたなんて…ついさっきまでここで話してたのに。」
美知流は信じられないといった感じで顔を曇らせ、現場に型取られた人型を見た。
「美知流、犯人に心当たりはないか?」
「…わからへん。」
そう答えた美知流だったが、本城の言葉に微かな反応を示した美知流を本城とミノルは見逃さなかった。
「本城さん…。」
ミノルがそっと耳打ちすると、本城は黙ってうなずいた。
「美知流、わざわざ来てもらって悪かったなぁ。明日また事情を聞くことになりそうだ。とりあえず、今日のところは送らせるよ。タク~?」
本城はタクを呼び、美知流を家に送らせた。
その時、ひとつタクに注文をつけたがタクはなぜ本城がそんなことを頼んだのかわからず、不思議そうな顔をしながら美知流を送っていった。
本城が刑事部屋へ戻ってくると、先に戻っていたタクを捕まえた。
「タク、頼んだアレ、どうだった?」
「あ、本城さん。結果出ましたよ。壷についていた指紋と、車についた美知流ちゃんの指紋…一致しました。」
タクが結果資料を本城に渡しながら報告すると、本城は資料に目を通し静かに目を閉じた。
「出来れば、当たってほしくなかったなぁ…。」
そう呟いた本城をタクが心配そうにのぞき込む。
「本城さん…?」
「他には指紋は出なかったのか?」
横で二人の話を聞いていた武田が訊いた。
「あ、はい。鑑識の調べでは、1度拭いたような後があったらしいんですが、拭く前につけられたと思われる指紋も、美知流ちゃんの指紋と一致したそうです。」
「それじゃ一度壷を触って拭いた後に、また触ったって事か?」
「そう…なりますよねぇ?」
タクと武田が話していると、無線が鳴り武田が応答した。
「武田だ。」
『原田です。会社で聞き込みをしてたんですが、ちょっと気になることが。』
「どうした?」
『はい、美知流さんのことなんですが、警備員が裏の駐車場入り口から、美知流さんが入っていくのを見たそうです。10分ほどで出てきたようなんですが、様子がおかしかったと…。』
ミノルからの報告を聞いていた本城は、タクから資料を取ると「美知流の家に行く」と出ていった。
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